博物館実習問合せマニュアル

博物館で実務実習を行う場合、多くの館で「問合せ」の必要が出てきます。

この記事では、「問合せ」で必要な手順をシチュエーションごとにまとめます。

直前自身での問合せを行う場合には電話を博物館や大学の事務からの連絡を確実に受け取れるような設定にするよう気をつけましょう。連絡を逃すと、実施があり本来は参加できるはずの実習に参加できなくなる可能性があります。

記事の後半ではやむを得ない理由で博物館実習を辞退・あるいは遅刻・欠席する場合の連絡の方法を提示します。博物館実習は大学と館との信頼関係のもと成り立っているため、自分勝手で身勝手な行動を行うと、以降の該当する大学からの実習は受け入れてもらえなくなる可能性があります。責任感を持って実習に臨むようにしてください。

希望館での実習の有無を知りたいとき

希望している館での実習が行われているかどうかがインターネットで調べても分からない場合、問合せを行なって実習の有無を確認する必要があります。

①大学の窓口に希望館の要項が届いていないか確認する

公にされていなくても、各大学の担当へ要項を送付する博物館は多くあります。まずは問合せの前に大学の窓口へ相談しましょう。

届いていればそちらを活用しましょう。なければ、問合せについて相談しましょう。もし、大学の窓口より自分で館へ問い合わせてくださいと伝えられたら、自身で問合せを行います。

②実習館へ問合せを行う

実習館への問合せは基本的に電話で行います。ホームページなどで調べて、問合せに特記がない場合には開館時間に気をつけて電話をかけましょう。連絡の際には以下の情報が電話口で求められることがあるため、事前に用意しておきましょう。また、メモの用意も手元にしておきます。

 

  • 所属の大学、学部、学年
  • 氏名
  • 電話番号
  • 実習希望年度

 

以下に問合せの時に実際に使用できるフレーズを示します。参考にしてください。

  • お忙しいところ失礼いたします。(大学名)に所属しております(氏名)と申します。(実習希望年度・○年度/来年度)の実習についてうかがいたく、お電話いたしました。ご担当者さまはいらっしゃいますか。
  • 貴館では来年度、実習は行なっていらっしゃいますか。
  • [掛け直す場合]またご担当者様がいらっしゃる時にお電話おかけいたします。失礼ですが、いらっしゃるお時間をお教えいただけますか。
③館の案内に従って手続きを進める

問合せをすると館によって実習の有無や要項の入手方法などが分かります。実習の実施がある場合には、案内に従って手続きを進めましょう。館によっては大学からの問合せを求める場合もあります。そのような時には早急に自身の所属する大学の窓口に連絡して手続きを進めてもらうようにしましょう。

ホームページに実習にあたって問合せが求められているとき

博物館実習に関しての情報がすでにホームページに記載されており、その中で電話やメールでの問合せが求められている場合があります。そのような場合の問合せの手順は以下のようになります。

①大学の窓口にその館への実習を希望することを伝える

大学の窓口の役割は応募に際する手続きのみではなく、館ごとに応募する学生の管理と調整も含まれます。特定の館に応募する意思のある場合には早い段階で大学の窓口に伝えるようにしましょう。

②実習館への問合せを行う

館ごとに指定される問合せの手段は異なります。いちばん多い手段は電話ですが、メールや往復はがきなどを用いる館もあります。しっかりと確認しましょう。

ここでは、電話での問合せ方法の一例を紹介します。問合せについて特記のない場合には開館時間内に電話をかけましょう。連絡の際には以下の情報が電話口で求められることがあるため、事前に用意しておきましょう。また、メモの用意も手元にしておきます。

 

  • 所属の大学、学部、学年
  • 氏名
  • 電話番号
  • 実習希望年度

 

以下に問合せの時に実際に使用できるフレーズを示します。参考にしてください。

  • お忙しいところ失礼いたします。(大学名)に所属しております(氏名)と申します。(実習希望年度・○年度/来年度)の実習に申し込みたく、お電話いたしました。ご担当者さまはいらっしゃいますか。
  • [掛け直す場合]またご担当者様がいらっしゃる時にお電話おかけいたします。失礼ですが、いらっしゃるお時間をお教えいただけますか。
③館の案内に従って手続きを進める

ホームページなどで問合せを求めている館の場合、その後の手続きの手順は決まっているはずなので、伝えられたように手続きを進めてください。また、連絡をしたら所属大学の窓口にもその旨を忘れずに伝えるようにしましょう。

やむを得ない理由で実習を辞退するとき

博物館実習に際しては、やむを得ない理由で実習を辞退しなければならないことがあります。その場合には、実習を受け入れていただいた館に辞退の旨を伝え理由を伝えなくてはなりません。

①大学の窓口と相談する

実際に館に連絡する前に、本当に実習を辞退する必要があるのかを、大学の窓口に相談してください。多くある辞退の理由としては以下のものが挙げられます。

  • 実習に参加するための単位が足りない
  • やむを得ない理由で日程が合わなくなってしまった(就職活動など個人的な理由は除く)
  • 留学などで参加ができない

大学の窓口で、実習の辞退が妥当だと判断された場合館への連絡を行います。

②実習館へ辞退の連絡をする

実習館へは、自身が実習に行けなくなった理由を正確に伝え、謝罪のきもちを真摯にあらわす必要があります。

また、どうしても変えられない日程の都合(大学の試験期間などがあとから入り辞退せざるを得ない……など)の場合には日程の調整ができないか、一度相談する余地もあるでしょう。

電話をかける前に以下の事項を確認しておきましょう。

 

  • 所属の大学、学部、学年
  • 氏名
  • 電話番号
  • 実習を辞退する理由
  • [日程が理由の場合]提示された日程で参加できる日程

 

以下に問合せの時に実際に使用できるフレーズを示します。参考にしてください。

  • お忙しいところ失礼いたします。(大学名)に所属しております(氏名)と申します。先日受諾のご連絡をいただきました実習につきましてお伝えしたいことがありお電話いたしました。ご担当者さまはいらっしゃいますか。
  • 先日ご連絡をいただきました実習につきまして、(実習を辞退する理由)という事情で実習(の全ての日程)に参加するのが難しくなってしまいました。
  • [日程が理由の場合]身勝手なことを申してしまい大変恐縮ですが、実習の日程をご相談することはできませんか。
  • 大変申し訳ないのですが、実習への参加を辞退させていただきます。
  • [掛け直す場合]またご担当者様がいらっしゃる時にお電話おかけいたします。失礼ですが、いらっしゃるお時間をお教えいただけますか。
③所属大学の窓口に連絡する

実習を辞退した場合、所属大学からもその旨を館に伝える必要があります。辞退の申し出を行なったら、必ず所属大学にその旨を報告し、実習辞退の連絡を大学からも行なってもらえるようお願いするようにしましょう。

やむを得ない理由で実習を遅刻・欠席・(早退)するとき

博物館実習を遅刻・欠席することは基本的には絶対にあってはならないことですが、体調不良や電車の遅れなどどうしても遅刻や欠席することになってしまうことがあるかもしれません。

遅刻・欠席が分かった段階で館にすみやかに連絡をしましょう。

①館に連絡をする

博物館実習の各館でのガイダンスや初日に、館への緊急連絡先を必ず聞いておくようにしましょう。

自分が実習に遅刻・欠席することが分かった段階で、館に連絡するようにしてください。

②所属大学の窓口に連絡する

館へ連絡したら、同じように所属大学の窓口へも遅刻・欠席(あるいは実習中に体調を崩し早退など)があった場合には、伝えるようにしてください。大学によっては実習日数の調整が必要になる場合があるため、実習生の実習出席日数の把握が必要になる場合があります。

 

以上のように、博物館実習のもろもろの問合せや連絡についてのマニュアルを提示しました。ご活用いただけますと幸いです。

なお、マニュアルはあくまで形式上のものであり、ご自身の状況にあわせてより優先すべきことがあればそちらに重きをおくようにしてください。