上野の森美術館で開催されている「ミラクルエッシャー展」に行ってきました。
東京での開催は7月29日までとのこと。
エッシャーの作品と言えば、中学校の数学や理科の教科書に載っていたイメージ。パターン化された絵のイメージでした。
イメージとしてはかなりダリのシュールレアリスムやピカソのキュビズムに通ずるところがあるなと思っていたら、同年代の人らしい。
サルバドール・ダリ(1904-1989)
パブロ・ピカソ(1881-1973)
マウリッツ・エッシャー(1898-1972)
それぞれWikipediaより
ダリとピカソは親交もあったとか・・・なんとなく調べていたらダリが他の作家たちを採点したランキングをまとめた記事というのも見つけました。面白かった。
しかしエッシャーは展覧会の中でも触れられていましたが、あまり親しい特定の同業者というのがいなかったそう。版画制作にまつわるすべての作業を一人で行っていたというのが印象的でした。
展覧会に行った7月16日は祝日でしたが、入場までの待ち時間は40分程度。会期終了まで間があったため比較的はやく入れたのではないかと思います。午後に行ったので、午前中や終了時間の間際ならもう少しはやく入ることができたのではないかと思います。
開催は上野の森美術館。常設展はなく、巡回展や企画展示の開催を行っている美術館です。昨年に開催されていた「怖い絵」展以来、行ったのは2度目だったのですが前回と比べて動線が大きく変わっていたのが印象的でした。展覧会のテーマによって動線を自在に変更できる会場は珍しいように感じます。
会場は入り口近くの展示室はゆったりしている印象でしたが、展示点数が多いためか途中通るのが窮屈な場所があったほか、作品を見る順番が不明瞭でわかりにくい部分・見逃しやすい構成となっている部分もありました。
生涯を通してエッシャーがこだわり続けたのは、版画の制作ということで、展示はすべて版画・あるいは版画にまつわる作品でした。8つのテーマに絞って紹介とのことだったため、エッシャーのイメージとして強くある重力があらゆる方向に向かってしまうものやタイル敷きの動物たちの作品は本当に一握りで、エッシャーの描く風景画や聖書に題材をとった作品などを見られるのが貴重でした。版画にまつわる秀作や版木も、作品制作の過程をみることができて面白かった。
作品は精密な版画が中心であるため、小さなものが中心。全部で約150点の展示だったそう。点数も多く、混雑しているためしっかり見ようと思うとかなり時間がかかりそう。見たい作品や分野を絞って行くのが良さそうです。
会場の最後にあった「メタモルフォーゼⅡ」は公式ホームページでもオススメされているとおり、それまでの展示のエッセンスが詰まった大作のため、必見といえるでしょう。勝手にグッズとしてマスキングテープがあると確信していましたが、無かったのであしからず……。
音声ガイドは去年から使い始めたのですが、展示とは異なった情報や音楽などを介した展示を楽しめるほか、作品を待つ時間で場所を選ばず解説を聞くことができるので、楽しみにしている会では使うようにしています。今回の「ミラクルエッシャー展」ではバカリズムさんが担当。エッシャーの愛したというバッハの曲を聴きながら作品を見ることができたのは嬉しかったです。
図録はA4変形製本の正方形のもので、ブックバンドの色を選ぶことが出来ます。
製本には、
手で押さえなくても開いたままの状態を保つことができる「コデックス装(糸かがり製本)」
が使われているそう。展覧会の図録は版の豪華さから考えた場合にかなり割安なものが多いため、少しでも気に入った作品があった場合には購入するようにしています。出版社から通常出版される場合には、同等の解説がついて作品図録がついて、倍以上の価格であることもザラにあります。
次回の上野の森美術館の展示は8月3日(金)からの「第43回 雪心会選抜書作展」および「第10回 NAYUTA展」となります。
また、上野の森美術館での博物館実習は2018年度は4月10日締切で募集がありました。実習期間は7月下旬〜9月上旬のなかの5日間です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。